今週の読書69

書店でたまたま見つけた書籍、初版はちょうど30年前の1990年のものになります。

動物裁判といえば学生時代に歴史の授業で出てきたような、いないような。

かなりマニアな内容です。

中世ヨーロッパで行われたという摩訶不思議な動物裁判。

人間にとって悪事を働いた動物の罪を裁くために、人間にするのと同様の、判事と弁護人を立てて裁判を行ったという事例が多数存在するそうです。

なぜこのような一見ばかばかしく見える行為を大真面目にやっていたのか、ヨーロッパの歴史・宗教・自然・文化をもとに検証し解き明かそうとします。

「動物裁判」の成り立ちと意義を論じたののち、この背景となっている中世ヨーロッパの文化=自然の関係を鑑みて、現在の環境問題(人間と自然の在り方)にも言及しています。

「心的なレベルもふくみこんだ、包括的な自然との関係の新しいみなおしが、喫緊の問題として解決を迫っているだろう」(書籍中より)

これは上記のとおり30年前に書かれた書籍ですが、現代のコロナのような感染症問題にも少なからず関係し、環境について考えさせられる話だと思います。