学校で凄惨ないじめに遭い引きこもりになってしまった男の子が、田舎の祖母の農業を手伝いながら、優しく見守ってくれる人と出会い、そして立ち直っていく、陰鬱とした冒頭から、清々しい結末へと変わっていく成長のものがたり。
日本人が毎日のように口にするお米、その生きたものを育てるために要する、根気と労力を経験しながら、主人公も生きるための自信を育んでゆく。
読みやすい文章も手伝って、あっという間に読み終えます。
焦らず、少しずつ成長してね、と主人公を応援したくなります。
実は自分に対してそう言い聞かせているのかもしれませんね。