– 本の紹介 – 福島伸一先生の「生物と無生物のあいだ」

院長です。
5月になって昼間の温度はずいぶん高くなりましたが、朝方はまだまだ涼しい日が多く過ごしやすいですね。
これからどんどん暑くなると思うと気が滅入りますが、体調に気を付けて乗り切りましょう。

話は変わりますが、僕は大学を卒業したあと、大学院で実験めいた(実験ですが)ことをやっていました。
実験といえば、試験管をふって・・・というイメージですが、まさにその感覚に近いですかね。
歯茎や歯由来の細胞を育てて、細胞を粉砕し、DNAを抽出して、分析するといった実験が主でした。
今の歯科医師の仕事とはずいぶんかけ離れていますが、様々な検査を行っている医科の分野(特に研究部門)では通常みられる風景です。
歯科の分野もこのような分子生物学的な研究が主流になってきております。
僕がその大学を離れて11年ほど経ち、その間、研究とは無縁の仕事に従事しておりますが、新聞等のメディアでもES細胞などの再生医療の話題が身近になっており、一般の方でも分子生物学を応用した医療が身近に感じておられると思います。

このたびは、テレビでたびたび拝見する青山学院大学の分子生物学教授、福島伸一先生の「生物と無生物のあいだ」を紹介いたします。数年前に、本屋をぶらぶらしておりますと、この本の帯に「女優の蒼井優さんが大絶賛、6回ぐらい読みました」と書いてあったので、不思議に思って手にとってしまいました。
若い女優さんが、こんな本をなぜ読むのかと気になったのです(ただのミーハーですね)。
それも6回も読んだ?

実際に読んでみると内容はいたってまじめです(当たり前か)。
研究に関するテクニカルワードが結構出てきますが、多少の知識がありますので十分読めます。
でも、この本の言いたいことの本質は、とてもシンプルですし、やはりそうかと膝を打つといった内容です。
また文章自体も非常に美しく、作品として読んでも素晴らしい内容となっております。
皆様もご興味があれば是非お読みになっていただきたい1冊です。

しかし、これを若い女優さんが読むというのはただただ驚きです。