この書籍は直木賞にノミネートされた後、高校生直賞も受賞したというものです。
第二次大戦前のポーランドが舞台で、日本領事館の書記生として主人公がポーランドに赴任してくるところから話が始まります。
ドイツがポーランド侵攻を画策する中、主人公たち外交官は和平のために奔走しますが、ナチスドイツがポーランド侵攻後し徹底的なユダヤ人に対する迫害を始める。
主人公は蹂躙されるポーランド人、ユダヤ人と共にポーランドをそしてポーランド人の魂を守るために自ら戦いに身を投じる・・・。
内容は読み進めるにしたがい、辛い結末へ近づいていくことが予感され、何度も読むことを躊躇しました。
しかしながら、人間としてこれは読まなければならないと決意し、何度も中断しながら、自分としてはずいぶん時間をかけて読み終わることができました。
こんなことを言っては不謹慎かもしれませんが、文章が美しい。
お話のもとになっている史実を知らぬことを恥じ、人間の負の部分を大いに感じる、そしてそこから学んで将来に生かさねばと感じた素晴らしい本でした。