著者は東大の獣医学科を卒業され、動物由来ウイルスの研究の最先端におられます。
今回のコロナウイルスも動物界では珍しいものではないらしく、しかもコウモリから人間に感染したと言われていること、また動物界から人間に感染する可能性のあるウイルスが多々あること、さらにはそれが現実のものとなると更に厄介な疾病を引き起こす可能性があること、など獣医学出身のウイルス研究者ならではの視点で感染症を論じます。
今現在蔓延している感染症だけでなく、今からはやりそうな、あるいははやる可能性のあるウイルスや細菌こそ押さえておかないと後手後手の回ると警鐘を鳴らします。
その他、著者の研究対象であるレトロウイルスの特性について、非常に興味深いお話がこの書籍にはたくさん詰まっています。
巻末の内容も誇大妄想のように見えて、起こりうる未来だと感じました。
評価のところに「いいね」をたくさんつけたいですね。